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サンフランシスコから車で約2時間半、太平洋岸の切り立った絶壁に沿ってうねうねと登ったり降りたりして、海洋性の温暖な気候と限りなく美しいカリフォルニアの海岸線を満喫した頃やっとたどりつく別荘地。 牧草地が海岸まで緩やかに延びている。 そこが有名な 「シ−ランチ」である。
こんなに穏やかな静かな安らぎのある別荘地は珍しい。 そんな静かなリゾ−ト地にトンプソンさんは一千坪ほどの土地をもっている。 そこは杉の林に覆われた丘の上で、木の間から下の海岸線も見える夢のような美しい敷地である。 トンプソンさん夫婦は隠居したらこの静かなリゾ−ト地で余生を送ろうと考えていた。
この家は太陽熱を利用して、昼間蓄熱した熱で夕方から夜に家を暖める方式をとっているので、家の真中にガラス張りの屋根のある一見温室に見える部屋があり、その周りに居間、 玄関ホ−ル、書斎が取り巻くかたちになっている。
傾斜地を利用して、一番高いところにある玄関から徐々に床が低くなっている。 一番高い所から一番低い所まで高低差が1.2m程ある。
玄関を入ると正面にガラス張りの屋根の温室があり、ガラス越しに空や、周りの杉の林、丘の下の方にある海岸線が見える。 そして玄関から入って左に行くと、居間、食堂、台所があり、食堂からは居間を見下ろし、また外のテラスをも見下ろせる様に設計されている。 玄関から右に行くと、書斎、寝室があり、階段を登ると客室があり、その上の階は景色を眺める展望台となっている。御主人の書斎は、奥さんの書斎より階段で三段ほど高くなっていて、奥さんの書斎を見下ろす形になっている。 そして奥さんの書斎は温室に面して居り、温室から居間にへとつながっている。
高低差を利用して視覚的なコミュニケ−ションが豊富にとりいれられたこの家の設計をトンプソンさんはこよなく喜んで下さった。
また、風呂好きなトンプソンさんは、ジャクジ−、 ホット・タッブ、 サウナ、 シャワ−を其々別のコ−ナ−に設け、その時の気分で気ままに楽しむことを趣味としていた。
各部屋は長方形ではなく、少しずつ角度がついた壁で囲まれていて、出来るだけ多くのガラス窓を設け、外の緑が見えるように設計されている。
自然との対話がじっくりと出来る家で、老後を自然の中で静かに過ごすには最適な家である。
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